「2014年度(第34回)精密工学会 技術賞」受賞
2014年9月17(水)に社団法人精密工学会が主催する「2014年度(第34回)精密工学会技術賞」を受賞致しました。
受賞件名
ポイントオートフォーカス式超精密全周三次元測定装置(MLP-2SP)の開発と実用化
案件の概要
インデックスオートフォーカス(AF)法は測定時間がかかるという問題がありましたが、その問題を克服する為に"スキャンオートフォーカス法"を開発し従来技術の80倍速を実現しました。また非接触にて内周の粗さや形状が不可能である事に対し、内周用対物レンズを開発し内周形状測定を実現しました。更にステージの高精度化と制御のデジタル化により1nmの高さ分解能にて、内外周全周の三次元形状・粗さ測定を実現する装置を製品化しました。
受賞理由
受賞者らは長年にわたって、ポイントフォーカス式の光学式非接触プローブによるナノメーター感度の表面形状測定装置の開発を行ってきました。今回その実用面での課題であった高さ測定時間を1/80に短縮するスキャンオートフォーカス法により、新たな高精度三次元測定装置を実現しました。これはボールベアリング軸受けに基づくDDモータと高分解能エンコーダを組み込んだ回転ステージをベースとしたコンパクトで高精度な三次元走査系を開発することにより、物体の内外周、全周の三次元形状および粗さを1nm高さ分解能で測定することを可能としました。内周測定は対物レンズ先端にプリズムを配置する方針で新たに実現しています。本システムの実用化により、これまで評価は必ずしも容易ではなかった工具刃先形状、刃先位置、歯車等の複雑形状の測定を可能としています。また全周三次元形状及び寸法、真円度、粗さの測定など様々な工業部品計測に高速且つ超高精度な評価方法を提供可能としました。しかも本ポイントフォーカス原理は2014年に三次元表面性状測定方法としての正式規格としてISOに登録され、日本初の三次元表面性状計測装置のデファクトスタンダードとして世界展開も可能となる点においても今後の精密計測分野における貢献に大いに期待が寄せられるものです。